ゆうちょのキャッシュカードでお金を借りる方法とは?

ゆうちょのキャッシュカードでお金を借りる方法を解説

 

国民の生活を支えてくれる公共的な機関として全国に存在している郵便局は、「ゆうちょ銀行」という銀行業務も行っており、その安心感は絶大なものがあります。

 

身近な金融機関であるゆうちょ銀行は個人融資も行っており、便利に使えます。

 

 

郵便局でお金を貸してくれるの?

お金を借りたいというときに頼れる金融機関というと銀行や消費者金融業者が真っ先に思い浮かびますが、実は郵便局でもお金を借りることができます。

 

貸してくれるのは「ゆうちょ銀行」

郵便局が行っている銀行業務は、いわゆる「郵政民営化」によって発足したものです。

 

郵便局とゆうちょ銀行は混同されがちですが、このふたつは別のものです。

 

ゆうちょ銀行は日本郵政が運営する銀行業務で、郵便事業は日本郵便、保険事業はかんぽ生命が担当しています。ゆうちょ銀行は郵便貯金が取り扱ってきた金融商品のほとんどを名称変更したうえで引き継いでいます。

 

各種のサービスは郵便貯金法に基づいて制定されているもので、利用者の預貯金に準拠した商品になっています。そのため、純粋な意味での「銀行」ではなく、全国銀行協会のなかでも特例会員という扱いです。

 

それはお金を貸す業務にも影響しており、郵便貯金を引き継いだ「担保貸付」以外の融資業務は基本的に存在しません。本格的に個人向け融資業務に参入すると、かつて公的な機関だったころからの巨額の資金を背景にして、市中の銀行の業務を圧迫する可能性があるからです。

 

とはいっても、2017年には個人向けの無担保融資サービスの商品化を申請しています。通常の消費者が便利に使っている銀行が提供するカードローンのような金融商品に近いものが提供されると推測されています。

 

個人向け貸付との違い

日本郵政は民間とはいいながら、純然たる民間企業ではなく公共性が強いものと認識されています。そのため、ゆうちょ銀行も民間の銀行とは性格が異なります

 

民間の銀行なら、たとえば三菱UFJ銀行のバンクイックや三井住友銀行のカードローンのような無担保で無保証人の個人向けの貸付が提供されていて便利に使えますが、ゆうちょ銀行ではそういった個人向け貸付は行っていません。

 

郵政民営化法では、国が所有する株式のすべてが証券取引所で売買できるまで制限されており、完全な民間の企業となるには認可を必要とします。そのため、市中の金融機関が提供しているような個人向けの貸し出し業務は、実施そのものが凍結されています。

 

ゆうちょ銀行には巨額の資金力があります。そのため、個人向けのローンを制度化して貸し出ししたいところですが、実際に法律として貸せない状態です。ゆうちょ銀行が行っているのは、カードローンのような純粋な貸し出し業務ではなく、預金または国債を担保とした貸付です。

 

有担保・自動貸付で審査なし

ゆうちょ銀行の提供する貸し出し業務は、担保付貸付です。利用者が保有している預金や財産形成貯金などを担保として、一定の範囲内で貸し出しをするというものです。

 

通常のカードローンでは担保は必要ありませんが、ゆうちょ銀行の貸付では自分の預金を担保とします。

 

貸付はキャッシュカードを使います。たとえば財産形成貯金は、通常の普通口座の預金としてではなく別枠として通帳に記載されていますが、ここから借りるのです。通帳の普通口座に残高がなくても、キャッシュカードから借入できるものです。

 

もし貸付限度額が10万円あり、普通口座の預金が1万円であったとき、キャッシュカードでATMから11万円を引き出すことが可能です。これは元来は自分のお金です。満期になる前にプールしたお金から借りるというシステムです。自分が保有している国債からも借入できます。

 

 

有担保であるため、貸付はキャッシュカードによって自動的に行われますし、通常のカードローンのような審査がありません。


 

ゆうちょ銀行の自動貸付とは?

ゆうちょ銀行独自の金融商品は、キャッシュカードで借入が可能です。担保付き貸付で審査はないので安心して利用できます。

 

貯金担保自動貸付

最も簡単な方法として「貯金担保自動貸付」があります。

 

担保になるのは、

  • 定額貯金
  • 定期貯金

の2種類です。

 

この2つは定期預金として預入した後は一定期間払い戻しができません。そのなかから借入するのが貯金担保自動貸付です。

 

 

借入限度額や金利は以下のようになっています。
利用限度額(貸付上限) 預入金額の90%以内(1冊の通帳につき300万円以内)
貸付期間 2年
金利
  • 定額貯金担保→返済時の約定金利+0.25%
  • 定期貯金担保→預入時の約定金利+0.5%

 

注意したいのは、担保にする貯金の種類によって金利が変わることです。また、定額貯金担保では金利は「返済時」で、定期貯金では「預入時」が基準になるという違いもあります。

 

現在の日本では定額貯金・定期貯金の金利は非常に低く、いずれも0.01%です。

 

適用金利(2018年時点)
  • 定額貯金→0.26%
  • 定期貯金→0.51%

 

国債等担保自動貸付

ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口を通じて購入した国債を担保にしてお金をかりるのが「国債等担保自動貸付」です。

 

担保となるのは以下の2種類の国債です。

  1. 利付国債(年に1回の利息を受けるシステムの国債)
  2. 個人向け国債(3年・5年・10年を満期とした国債)

 

 

借入限度額や金利は以下のようになっています。
利用限度額(貸付上限) 額面の80%(1人につき200万円まで)
貸付期間 最長1年
金利

貸付時での預入期間1年の定期貯金の約定金利+1.7%

 

注意したいのは、貸付期間が最長でも1年となっている点です。貯金担保による貸付に比較して短くなっています。

 

借入して1年以内に国債が償還されるときには、償還日の7営業日までの期間が貸付期間です。

 

財産形成貯金担保貸付

財産形成貯金は「勤労者財産形成貯蓄制度」のことで、働いている人が金融機関と提携して給与やボーナスから天引きする形でお金を貯めていく制度です。多くの企業が導入しており、本人は何もしなくても自動的に貯蓄できるものです。

 

ゆうちょ銀行はこの財形と呼ばれる制度を多くの会社・企業と提携しています。

 

  • 「財形定額貯金」
  • 「財形年金定額貯金」
  • 「財形住宅定額貯金」

などの方法があります。

 

ここからも、キャッシュカードを使った貸付を行っています

 

利用限度額(貸付上限) 預入金額に利子を加えた金額の90%(300万円上限))
貸付期間 2年
金利

返済時の約定金利+0.25%

 

ゆうちょ銀行が提供している有担保貸付は銀行のカードローンなどの比較しても金利面では相当に有利です。

 

「いつかは引き出すことになっている自分の預金」から一時的にお金を融通するという制度ですので、誰にも迷惑をかけることもありません。

 

借入・返済の方法

ゆうちょ銀行の貸付制度は「自動貸付」と呼ばれるものです。これは、公共料金などの引き落としのときに残高が足りない場合に自動で融資してくれるものです。

 

また、ATMにキャッシュカードを入れて預金残高以上を引き出すというやり方で借入できます。この他、通帳を利用して窓口で借りることも可能です。

 

通帳には「マイナス残高」として記載されます。定期・定額貯金や国債を担保にしているので、それらの満期までに返済すればマイナスは消えます。

 

返済方法も、カードローンなどのように毎月決まった日にATMなどで返済するという方法ではありません。

 

いつでも余裕があるときに口座にお金を入れるだけです。返済すると通帳のマイナスが少なくなっていきます。残高がゼロ円になると借りているお金がないことを示します。

 

ただ、残高ゼロになっても借入していた期間の利息を支払わないと完済にはならないので注意しましょう。

 

ゆうちょ銀行でキャッシングできる?即日融資は可能?

クレジット・キャッシング機能を付帯させる

銀行のキャッシュカードにクレジット機能を持たせてさらにキャッシングも可能にできるのと同様、ゆうちょのキャッシュカードにもキャッシング機能を付けることができます

 

みずほ銀行や三菱UFJ銀行と同様に、クレジットカードとキャッシュカードが一体になったタイプのカードとして「JP BANKカード」という名称で発行されています。

 

VISA、Masterなどの国際決済ブランドから選べますし、日本国内では有数のクレジットカードであるJCBブランドも選択できます。様々な種類があり、たとえば18歳以上の若い世代向けのカードやゴールドカードなどがあります。家族カードも作ることができ、収入のある世帯主のカードを親カードとして配偶者などに使えるようにもできます。

 

国内外でのショッピング、通販などで利用可能で、キャッシングにも役立ちます。利用枠に違いのある複数の種類があるので、良く検討のうえで申し込みましょう。

 

利用限度額や金利は?

「JP BANKカード」には大きく一般向けとゴールドカードがあります。一般カードはキャッシング利用枠が抑えめとなっています。金利はどれを選んでも一定です。

 

カード キャッシング利用枠 金利
Alente 0万円〜30万円 15.0%
一般カード(VISA)
一般カード(Master)
ゴールドカード(VISA) 社会人→0万円〜50万円

学生利用不可(海外キャッシングは5万円まで可能)

EXTAGE 0万円〜50万円
一般カード(JCB)
ゴールドカード(JCB)

 

ALente(アレンテ)、EXTAGEはゆうちょ銀行に口座を持っている満18歳から満29歳までの人向けのカードです。一般向けを含み、利用代金を月末日に締めて翌月の26日に引き落としとなります。

 

使い方は簡単

JP BANKカードはゆうちょ銀行のATMだけでなく、提携している金融機関のATMでもキャッシングできます。

 

提携ATM(銀行)

みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ銀行・りそな銀行・イオン銀行

 

コンビニATM

セブンイレブン・ローソン・E-net(ファミリーマート)

 

その他

信用金庫・信用組合・労金・商工中金・JAバンク

 

 

店舗やATMの機種によっては対応できない場合もあるので注意しましょう。ゆうちょのホームページから確認可能です。

 

ATMでの借入以外にも、口座に振込で融資を受けることも可能です。受け付けは24時間365日可能ですが、受付完了から口座反映までに5営業日ほどかかるのがデメリットです。

 

振込手数料は無料です。カードをネットバンキングに登録しておいて、振込依頼をすることが可能で、電話でも依頼することができます。

 

返済方法は一括返済かリボ払いから選択できます。一括の場合には支払日に口座から利用額と利息を引き落とします。

 

リボ払いでは利用枠が10万円・20万円であれば返済額は毎月1万円から5万円までの1万円刻みで設定でき、利用枠30万円ならさらに6万円の設定も可能です。

 

手数料は?

JP BANKカードは年会費がかかります。初年度は全員無料ですが、翌年以降は毎年1350円かかります。ただし、以下の条件を満たしていれば、翌年度以降も年会費無料になります。

 

  • 対象となる公共料金をJP BANKカードで支払う
  • ゆうちょ銀行の給与預入を使う
  • ゆうちょ銀行の年金自動受取を利用する
  • 直近1年間のショッピング利用累計が30万円以上

 

このうち1つでもあてはまっていれば、翌年から年会費がかかりません。クレジットカードのなかには、利便性は高いものの年会費が常にかかるものが多いため、良心的設定です。

 

また、リボ払いでは常に手数料がかかりますが、「生活deリボ割」という制度があり、割引となります。これは、公共料金をカード払いにすると、対象となる公共料金の支払い1つにつき0.5%が割り引かれます。

 

電気とガス、水道の3種類をカード払いにすると合計1.5%の優遇が受けられます。リボ払いの手数料は金利15%ですので、13.5%にまで引き下げられます。

 

携帯電話料金や新聞代、NHKの受信料など対象となる公共料金は多くあるので、JP BANKカードに入会したらなるべくカード払いにして手数料を安く抑えましょう。

 

即日融資は困難

JP BANKカードのキャッシングは金利が15.0%と低い点やショッピング機能も充実している点など、メリットが多いカードですが、即日対応していない点が大きなデメリットです。あくまで時間的な余裕がある人向けのカードでしょう。

 

まずは申込書をインターネットから請求しなければなりません。ゆうちょ銀行のホームページから請求して、1週間程度で自宅に届きます。ネット上で入力した内容を印字してもらえますので、未記入の部分に自分で記入・押印して返送します。

 

通常のカードローンは申し込みはペーパーレスが多いことから考えても手間がかかると言えるでしょう。さらにその後の手続きやカードの発行に時間が必要で、2週間から3週間待たなければなりません。

 

他のカードと比較しても、あまりに現実的ではないと言われており、利用者は多くありません。この点にも、完全な民間組織でないデメリットが表れていると言えます。

 

ゆうちょ銀行が「口座貸越」制度を導入

ローン商品「したく」の新規申し込み停止

ゆうちょ銀行はスルガ銀行と提携して、スルガのローン商品である「したく」というカードローンを取り扱っていました。金利は14.9%、利用限度額は500万円というお得に利用できるローンとして知られていましたが、これは2018年に募集を停止しています。

 

これはスルガ銀行の住宅ローンの仲介業務にかかわる問題が関係しています。スルガ銀行は投資不動産向けの融資を提供していましたが、そこで改ざんした書類に基づく不正な融資が行われていたことから、金融庁からスルガ銀行に業務停止処分を受けています。

 

スルガ銀行は経営側も不正を知っていながら見過ごしていたことから、企業ガバナンスとしても重大な不備があったとみなされています。そのため、ゆうちょ銀行はスルガ銀行が提供していた「したく」の募集を停止しています。

 

今後もゆうちょ銀行とスルガ銀行の関係改善は不透明な部分があり、お得なカードローン「したく」は募集を停止したまま消滅することが推測されています。ゆうちょ銀行は民営化されたとはいえ公的な銀行としての性格が強く、不正に関わる問題には厳しく対応する見込みです。

 

個人向け融資に本格的に参入

ゆうちょ銀行は巨大組織です。民営化から収益の改善を目指して様々な動きを活発化させており、スルガ銀行との提携関係にひびが入った状態を放置してそのまま個人向けローン商品から撤退するとも考えにくいことです。

 

スルガ銀行の一件があってから、ゆうちょ銀行は個人向け融資に本格的にみずから参入する動きを見せています。すでに金融庁と総務省には、個人向け無担保融資業務の認可を申請しています。

 

今後は口座貸越という形で個人融資サービスを開始すると見込まれています。口座貸越はカードローンと同様の無担保融資ですが、カードローンが専用の口座から借入のに対して、口座貸越では総合口座から借入することによって必要最小限の借入で済むように配慮されます。

 

ゆうちょ銀行としては、多くの銀行が導入しているカードローンへの参入を検討していましたが、金融庁が銀行カードローンでも利用者の返済能力を超えた過剰融資が行われていると問題視していることもあり、取りやめています。

 

なぜ「口座貸越」なのか

口座貸越は、すでに総合口座を開設していて、定期預金の預入がある顧客を対象とする個人向け融資です。残高が不足したときに、定期預金残高の一定割合の額を限度額として不足分を補う貸付を行うものです。多くの口座貸越は限度額を定期預金残高の90%程度としています。

 

ゆうちょ銀行は個人向けの融資を取り扱うことを目指してカードローンの認可申請を金融庁に提出していましたが、認可は下りませんでした。というのも、ゆうちょ銀行には申込者に対する審査体制が不十分であるとされたからです。

 

いわゆる無担保・無保証人の個人向け融資は、審査を信販会社や消費者金融業者が行っています。銀行カードローンでも、たとえば三井住友銀行のカードローンの審査をプロミスが行っています。さらに銀行独自の基準を用いた審査も実施されます。

 

ゆうちょ銀行にはそういったノウハウは蓄積されていません。ゆうちょ銀行は公的な性格も持ち合わせている銀行であるため、民間の消費者金融業者に審査を委託するということも考えにくいことです。

 

このため、審査がほとんど必要ない口座貸越による個人向け貸付という形に落ち着いたものと考えられます。

 

まとめ

ゆうちょ銀行からお金を借りるには、基本的に担保として預金や国債を保有していることが必要です。一般的な消費者金融業者のようなカードローンは事実上は存在しません。

 

ただ、スルガ銀行との関係悪化もあり、今後は個人向け融資商品を開発して投入することが推測されています。